ご挨拶

豊かな暮らしが続く地域、地球を目指して

私たち、川崎の森を育む家づくりねっとは、小さな町の小さなNPO法人です。私たちの活動はまだはじまったばかりで、その歩みはとても小さいものではありますが、しっかりとした一歩であると確信しています。
私たちの町川崎町は、仙台市の隣町ということもあり、町の多くの人々が町外へ働きに行き、中学を卒業した子供たちの過半数が町外の高校へ進学しています。町の過疎化も止まらず、若者が生き生きと働き暮らせる場が失われています。
また、町の面積の8割を占める森林は、その多くが、ほとんど手入れされずに放置されています。
しかし、今こそ、この山を、木を、そして地域の人材を役立てて、社会を再構築していくことができる好機ではないでしょうか。なるべく小さな地域の中での循環型社会の構築こそ、移動のためのエネルギーを大きく節約できるでしょう。(家を建てる材料の木材は大きな重量があり、それを、海外や、遠い町から運ぶことは、たくさんのエネルギーを使ってしまいます。)さらに、地域の木を使うことで、薬剤処理をせず、接着剤を使わない材料をたやすく入手できます。これは、合成化学物質の非常に少ない家を実現します。
小さな地域の中で、地域にある材料で、地域の人で、なるべく循環できる社会を作っていくことが、地域で働く場を創造し、地域の森を守り、住まい手の健康へもつながる。そんな循環型社会が実現するように、また、それを日本中、世界中へと広げていくことができるようになる日が来ますように。

川崎の森を育む家づくりねっと  理事長 小野寺 信