私たちの暮らしは、地球の上で営まれています。しかし、今の私たちはその地球のことをきちんと考えて行動できているでしょうか。家を建てるという活動の中にも現在のやり方は地球に優しいとは言えない多くの問題を抱えていると思います。
森を育む家はそんな今のやり方を考え直し、地球にも優しい家なのです。
- 海外から運んできたり、全国の木材市場に運ばれたり、機械加工のために大きな製材所やハウスメーカーの工場へ運んだり、家を建てる現場から50kmも60kmも(時にはそれ以上)離れた工務店に運んだりするとたくさんのエネルギーが運送に使われます。しかし、森を育む家は、地元の山から切り出し、地元の製材所で挽き、さらに板は地元の建具屋で実加工する。柱や梁土台は地元の工務店で手加工するので運送にかかるエネルギーが極端に少なくなっています。
- 工場で、薄く切ったり、張り合わせたりして作る集成材や構造用合板や仕上げ用の化粧合板は、わざわざ、工場へ運んで、機械を使って薄く切り、ボンドで接着し、製品にしてからお店に運ばれ、売られていったり、ハウスメーカーに運ばれ、それから家を建てる現場に運ばれます。しかし、森を育む家では、地元の製材所で挽き、無垢の木をそのまま使うので、工場も、ボンドも必要ありません。
- 価格競争が激しくなった今日。大工さんや工務店は隣の町は当たり前、県内の端から端や、隣県へ仕事に行くのはごく普通になってしまいました。しかし、これは、現場への通勤時間が長くなって大変なことです。時間的にもったいないだけでなく、現場へ通うガソリンも多くかかりますし、そういう車が増えることで朝晩の渋滞もひどくなります。ところが、森を育む家では、地元の大工さんが地元に遠くても隣町に家を建てるので、現場が近いのです。通勤時間、ガソリン、渋滞、どれをとっても地球や働く人に優しい。
- 山に新しい苗木を植える活動はあちこちで見られます。とても素晴らしい活動です。しかし、森を育む家では、今ある森の再生を考えています。戦後に造林され、手入れされずにあれてしまった杉林を何とかしようと考えています。40~60年生の杉の木を間伐して、もっと太い木に育てて次の世代に残そうと言うものです。そのために間伐する林業家に補助しようと言う活動をしています。そして、間伐した木は、森を育む家に使われます。柱や梁を取った残りの部分は薄く挽いて板になります。60年生の杉だと迫力のある大黒柱になります。